地域に生きる“みまさか”の若手たち
宮岡 あやさん =津山市西吉田
地域に生きる“みまさか”の若手たち
宮岡 あやさん
=津山市西吉田
人は笑顔が一番すてきだから
8歳の長女を筆頭に4人の子どもを育てる宮岡さんは、ウェブ制作などを手掛ける「NICONAニコナ」(津山市高野本郷)の代表を務める。地域密着を掲げ、主な取引先は作州地域の企業。地元産品の魅力を最大限発信できるようウェブサイトをデザインする。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、8月に「津山プロジェクト」をスタートさせた。打撃を受けている事業者を応援しようとクラウドファンディングで資金を集め、商品や業務内容を紹介するポータルサイトを制作中。タイアップの仲介、通販やオンラインイベントなどもできる仕組みにし、同様の機能を備えたアプリの開発も進めている。
来春の公開に向け、忙しい日々。時には8カ月の長男を膝に抱き、仕事に取り組む。
IT(情報技術)に詳しくはなかった。
美作高卒業後は「人と接するのが好き」と、飲食店や薬局などで接客を担当した。中学時代の同級生だった直輝さん(34)と結婚したのは2010年。2年後、長女の出産を機に専業主婦となった。
起業のきっかけは、育児中に友人から頼まれてバナー広告をデザインしたこと。楽しさや達成感を知り、独学でウェブデザインを学んだ。
17年に自宅を事務所としてNICONAを設立。営業職だった直輝さんも会社を辞め、サイトのシステム構築などを担当する。徐々に規模を拡大し、昨夏、美容や飲食などの専門店が集まる複合店舗「バーンドア」内にオフィスを移転した。
「笑顔と愛」をモットーとする。思いを込めた長女笑愛えなさんの名前を「にこな」と読んだ人がいたことで、響きを気に入って社名にした。
手掛けるサイトは、紹介する事業に携わる人たちの顔が前面に出るようレイアウト。「サイトを訪れるお客さんには、生産者や店員らの顔を見てほしい。人は笑顔が一番すてきだから」
依頼者とは直接対面し、綿密な打ち合わせを心掛けている。どんな人が、どんな思いで商品を作っているのか。商品にまつわるストーリーを掘り起こし、携わる人自身に思いを語ってもらう動画をアップすることもある。
ユーチューバーになりたい人には動画の編集、ウェブ制作をしたい人にはプログラミングを基礎から教える事業をNICONAで始めたばかり。「同じことの繰り返しでなく、新しいことにどんどんチャレンジしたい」。前向きな気持ちは変わらない。