ニューノーマルへ-コロナとその先-

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コロナ禍で見えた地方の真の強さ
ニューノーマルへ-コロナとその先-
2020.06.30

コロナ禍で見えた地方の真の強さ

皆さん、こんにちは。
私は津山市出身で、現在、岡山県美咲町の山奥と東京のど真ん中という両極端な場所で二拠点生活を送っています。
美咲町では、美咲町と東京をつないで関係人口を創出する仕事、東京では女性向けマーケティングなどの仕事をしています。

 

東京アラートで、都庁が真っ赤にライトアップされたとき、
まるで薄氷の上にそびえ立つ摩天楼のように見え、
災害時の大都会の脆さが浮き彫りになったような不気味さを覚えました。

 

幸い、コロナ禍前から美咲町に滞在していましたので、
自粛期間中は大自然の中で心身ともに健やかに過ごすことができました。
季節は冬から春へと移り、冬の間、巣ごもりしていた農家さんたちは世の中とは逆に外に出始め、
いつも通り淡々と田植えの準備や畑仕事をされていました。

 

東京の友人たちは、事業をしている人が多いこともあり、
経済的・精神的なダメージが大きく、恐怖や不安に苛まれながらも対応に奮闘していました。
私も自粛により東京での仕事は制限を受けましたが、複数の仕事を持っているのでそれらがセーフティネットになり、
現時点では深刻な状況にまでは陥らずに済んでいます。

 

自粛期間中、地方の真の強さと、それがもたらしてくれる恩恵を改めて実感しました。

 

大地とつながっている安堵感、食料自給、物資調達、地域コミュニティ、
ヒューマニティといったもので、生きる上でベースになる「守りの強さ」とでもいいましょうか。

 

それらの価値は平時には見えにくいのですが、有事の時に大きな安心感を与えてくれました。
これらの価値はこれからの時代、ますます見直されていくと思っています。

 

「北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起きる」。
あらゆるものを取り巻く環境が複雑になり、予期せぬ事象が次々と発生し、先が見通せない。
VUCA時代(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)とも言われる状況が、コロナ禍でかつてない水準になっていると指摘されています。

 

ウイルスで世界中が瞬く間にパニックに陥ったことからもわかるように、
世界は複雑に絡み合い、影響しあって、一つにつながっています。
コロナ禍に限らず、これからもデジタルテクノロジーの進化や未曾有の自然災害などで大きな変化を余儀なくされることも否めないでしょう。

 

VUCA時代に、振り回されることなく生き抜くために、
住まい、仕事、食料調達、人間関係、資産管理などの面において「自分仕様の安全地帯をつくっておくこと」はとても重要だと考えています。

 

時代は遡り、明治というニューノーマルを迎えた時代、美咲町が輩出した実業家に岸田吟香という人物がいます。
青年期に江戸へと旅立ち、目薬、新聞、新聞広告、和英辞書、定期航路、製氷業、石油採掘、盲唖学校の創設等、次々と新しい様式を生み出して文明開化に大きく貢献しました。
葬儀には伊藤博文、桂太郎総理、板垣退助なども参列されています。
常に高い志と庶民目線をもって複数の事業に果敢にチャレンジし、封建社会から文明開化へと新しい時代を駆け抜けた岸田吟香には、「大魚は小池に遊ばず」という口癖があったといいます。

 

これは単に身を置く場所のことではなく、思考のことではないかと私は解釈しています。

 

従来の延長線上で物事を考えると、どうしても固定観念や常識に縛られて、
その状態から抜け出すことが難しくなります。
思考のリミッターを外し、360度全方位自由自在に視点を飛ばし、複数の土俵を見つけることも、
激動期を生き抜いていく「攻めのセーフティネット」のように思います。

 

「日本は黒船が来ないと変われない。
しかし、黒船後からがやたら強い国民性だ。
変化を取り込み、磨きあげ、独自のスタイルに昇華させてしまう」。と、
とある専門家の方がおっしゃっていました。

 

令和のニューノーマル、人々がコロナ前よりも豊かになる新しい世界を創る好機と捉え、
希望をもって挑戦し続けたいと思います。

 

最後になりましたが、経済産業省が今後の経済産業政策について資料をまとめています。(R2.6.17
ご参考までに添付します。

https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sokai/pdf/026_02_00.pdf

 

岡山県美咲町 地域おこし協力隊
株式会社ウーマンズカレッジ代表
日下ゆりあ

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