ニューノーマルへ-コロナとその先-
コロナ以前コロナ以後 変わるのは環境か、自分か。
農家にとってこれほど困ったことはない。
災害・人災で農作物が収穫できなくて、うまいこと作れなくて売れないのはまだ分かるが、「いいもの」「美味しいもの」が作れているのに値段がつかないのだから。
2月末、海外の観光客が激減し、3月には国内観光客にまで広がった。
4月に入ると国内飲食業が壊滅的な状況になり、それに紐づくようにして、農作物の在庫が余るようになり、市場価格がみるみるうちに下落していった。
中には、市場にすら持って行かず捨てる作物もあるぐらいだ。
あれ? 国内での通常消費ってこんなに弱かったっけ?
みんな家では普通にご飯は食べるはずなのに。
5月に入っても状況は変わらない。
もちろん肉、野菜、果物の種類によっても価格の変動は違うので、一概には言えないが、コロナ以前とコロナ以後で明らかに変わってきている。
この状況はいつまで続くのだろうか。
夏まで?
1年間?・・・
もしかしたら永久に付き合っていかないといけないかもしれない。
そう考えると、環境が元通りになるのを待つのではなくて、こっちが変わらないといけないのかもしれないと思わされる。
今われわれ農家が試されていることは、声をあげて動いてみることだと思う。
誰かがやってくれることに乗ることも、もちろん重要だが、原状回復はできても、現状よりプラスになることはまずない。
牛飼いの日常は恐ろしいほど変わっていない。
売れなくても牛はご飯をしっかり食べる。
日々の仕事に在宅ワークにできることなどほぼない。
「一年後」の成果物のために「今」、土を耕しているのだから仕事を投げることはできない。
だけど、変わらないと。
変わらないとな。
ここで一歩踏み出した農家は、いつかまたこのような状況に陥っても対応できる「動じない農家」になれると思う。
終息を祈るだけの農家は、環境に振り回されては「愚痴をこぼす農家」になると思う。
まぁ、そんな僕も「後出しじゃんけん」で、今苦労している最中だけど。
今の状況を味方につけ、当たり前にすることができれば、もしかしたらこの先、ものすごい追い風になってくれるかもしれないなと感じている。
いままでWebでは伝わらないと思っていた「ぬくもり」がリモートでも繋がれて、感じられると解かったら、目で見て、触わって選んでいた商品を直接見なくても、Web上での生産者からの声や情報で買うのが当たり前になるかもしれない。
いままでは時短や便利さを優先して商品を買い求めていた消費者が、おうち時間が増えることで、手間がかかる商品を買うようになるかもしれない。
売り方? 育て方? 働き方? 何から変えていいのかわからないなら、まず、考えよう!
情報を集めよう!
やまない雨はない、の考え方は捨てて、考える農家に変わろう。
答えが一つじゃないところが農業の面白いところでもあり、難しいところ。
けど、難しいほうが、楽しい。
簡単じゃないから、面白い。
一緒にいろんなことにチャレンジしましょう!
コロナなんかで農業、死んでもやめんじゃねーぞ。
考えて、この機会に一歩でも動きましょう!
株式会社オリジナルキューチ 畜産家 豊福 祥旗