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美作高「“地域をキャンパスに”活動」 作州の高校から知識や技能生かし交流
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2022.03.09

美作高「“地域をキャンパスに”活動」 作州の高校から知識や技能生かし交流

「地域の人とコミュニケーションを取りながらの作業が楽しい。農作業の大変さや食のありがたみも分かる」。美作高(津山市山北)普通科ライセンスコース3年松永琉生さん(18)は満足そうに話す。

同コースが2017年度にスタートした地域活動の「耕せ!プロジェクト『I・M・O』」。3年生が高倉地区住民でつくる高倉地域づくりの会と連携して地区の休耕地を活用し、土を耕してサツマイモを植え、収穫まで行っている。

10月27日には下高倉東の4アールの畑で、21人が収穫作業を体験。会のメンバーから手ほどきを受けながらスコップで掘り起こし、取れたサツマイモを手に記念撮影するなど交流を深めた。

収穫したイモ計約700キロは市内のホームセンターの協力を得て店舗で販売するほか、生徒が別の活用方法も検討中。赤松潤哉さん(17)は「高倉を盛り上げるイベントを開きたい」と話す。

同校では、ライセンスや福祉医療、ITスペシャリストといった普通科全9コースの生徒が「地域をキャンパスに」を合言葉に現地に出向いての交流や、活性化につながる活動に取り組んでいる。関わり方や内容はコースごとにさまざまで、生徒たちが専門知識や技能を生かして工夫している。

ITスペシャリストコースは今年から、地元企業を紹介する動画の作成に挑戦。3年生が10月から企業訪問しており、12月に高校のホームページなどで公開する予定だ。現代創造コースは地域課題の発掘のため、商店街で店舗への聞き取り調査を実施。市のにぎわい創出につながる企画の準備を進めている。

教務課長の小田武教諭(47)は「地域に根ざした学校として地元に貢献し、生徒が愛着を育むことが目標。県北の人口減や担い手不足といった課題解消の一助になれば」と期待する。

「生徒たちと話し、とても元気をもらった。これからもこういう場をつくってほしい」。奥津町民体育館(鏡野町井坂)で今月2日に開かれた福祉医療コースの生徒との交流会で、安藤辰江さん(93)=羽出=は笑顔で話した。

交流会は同コースが15年度から毎年、高齢者の介護予防を支援しているNPO法人ひまわり(羽出)とともに続けており、参加者の評判も上々。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止を余儀なくされたが、今年は7、11月に開催。2日は3年生19人が介護体操やけん玉、かるたでお年寄りを喜ばせた。

「『たくさん笑ったよ』と声を掛けてもらいうれしかった」と無関むせき恋朱れんじゅさん(18)。理学療法士を目指すというこれからの勉強にも「高齢者との交流で学んだコミュニケーションの取り方などを生かしていきたい」と意気込みを見せた。

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