“みまさか”ではたらく人物図鑑

株式会社つるや 勝間店スタッフ
岸本 勇飛 さん
2005年奈義町生まれ。23年に勝間田高校総合学科自動車コースを卒業。同年株式会社つるやに入社。奈義町在住。
「ごちそうさま」の声にやりがい
「『ごちそうさま!』とお客さまに言ってもらえるとうれしくて。テンションが上がります」。そう目を輝かせるのは、県北に14店舗を展開する弁当・食堂の「つるや」(津山市上村)の岸本勇飛さん。入社2年目になる岸本さんはつるやの勝間田店スタッフとして、早朝5時から厨房でイートインメニューの仕込みをし、合間に接客や商品管理もこなしている。手頃な価格でボリュームのある弁当や惣菜、「おかやまキムラヤ」のパンも扱うつるやは県北エリアに欠かせない食のインフラ。 “食卓を豊かに彩る”をテーマにしており、働く男性に加え、主婦や家族連れにも人気だ。多忙な毎日でもお客さまに喜んでもらえると疲れが吹き飛ぶと微笑む岸本さん。常連のお年寄りにも愛される素直なキャラクターで日々地域の人々の食を支えている。
(写真説明)
季節限定の「パン屋さんのビーフシチューセット」はイートイン、持ち帰り共に可能。
※写真はイメージ

奈義町出身・在住。「家の裏の森が遊び場」という自然豊かな環境でのびのびと育った。町内に高校がなく、進学した勝央町の高校まではバスで片道40分。一緒に住む祖母も車で送迎に協力してくれた。高校では自動車コースを選択したが、卒業後の進路を考える際、「仕事にするのは厳しい」と感じて方向転換。「人と話すのが好き、料理が好き」という自分の特性に合う企業を検討し、目に入ったのが「つるや」だった。子どものころ勝北店に家族で訪れ、「から揚げがおいしかった」楽しい思い出がよみがえり、地域を大切にする社風にも引かれて入社を決めた。
入社後配属されたのはリニューアルしたばかりの勝間田店だった。つるやは店舗のある地域に合わせた店づくりをしており、扱う商品も異なる。勝間田店は2020年に岡山木村屋グループの一員になった後、「暮らし豊かにいろどりdining」をコンセプトに生まれた旗艦店。販売コーナーはお弁当やお菓子などに加えてデパ地下のようなショーウインドウを備え、「出来立て、揚げたて」の惣菜を提供。イートインスペースはカフェのようなしゃれた雰囲気だ。
まずはレジで接客をしながら商品管理を覚えた。明るく人当たりのよい岸本さんにとって、接客は得意分野。すぐに常連客と打ち解け、岸本さんとの会話を楽しみに訪れるお年寄りも現れた。半面、苦労したのは売り上げの要である「仕出し」や「季節弁当」の大量注文。その中で昨年は「おせち料理」の注文で痛恨のミスをした。日々の業務に追われて、本社に予約表を1枚送り忘れてしまっていたのだ。受け渡し当日、来店したお客さまの商品がなく“真っ青”になった岸本さん。それでも上司が気を効かせて予備を確保してくれていたため、事なきを得たという。
「つるやは人間関係が本当にいい。だから楽しく仕事を続けられているのかも」という岸本さん。おせちの注文ミスの際も、上司は頭ごなしに叱らず「ベテランでもやるミス。経験しておいてよかったよ」と声をかけてくれ、心が救われた。
現在は主に厨房を担当しており、名物の「とんかつ」や人気のちゃんぽん麺など200種類のメニューを覚え、スピーディーに提供している。最近では常連客の姿を確認すると先にメニューを準備したり、好みを覚えて「漬物抜き」などカスタマイズして提供したりすることも。そんな心遣いが徐々にお客さまに伝わったのか、「ごちそうさま」と声をかけられることが増えてきた。初めはつらかった早朝勤務も「終業が14時なので、プライベートが充実できて満足」と言い、祖母と一緒に買い物に出かけるなど家族の時間を大切にしている。
今後は事務系のスキルを高めたいという岸本さん。「これまで不器用な僕にやさしく丁寧に教えてくれた周囲に感謝している。これからは頼られる存在になりたいですね」。
会社概要/津山市を中心とする岡山県北エリアで、弁当や総菜、イートイン店14店舗を直営する。子どもから大人まで親しまれてきたボリュームたっぷりで手頃な価格の弁当を中心に、2020年より岡山木村屋グループの一員として、「おかやまキムラヤ」のパン全商品を販売し、さらに幅広いファン層をつかんでいる。〒708-1224 津山市上村80 TEL0868-29-2722
