“みまさか”ではたらく人物図鑑

2022
宍戸 舞衣子さん

株式会社つるや マーケティング部 製品開発課

宍戸 舞衣子 さん

1986年岡山生まれ。2008年美作大学生活科学部食物学科卒業。岡山市内の老人福祉施設勤務を経て13年に「つるや」に入社。マーケティング部製品開発課に配属されて現在に至る。3児の母。

暮らしを彩る“食”届けたい

津山市を中心とする岡山県北エリアで、弁当や総菜、イートイン店13店舗を直営する「つるや」(津山市上村)。手頃な価格でボリュームたっぷりの弁当が、子どもから大人まで幅広い客層に親しまれてきた同社。昨年より岡山木村屋グループの一員として、「おかやまキムラヤ」のパン全商品を取り扱い、木村屋各店でも「つるや」のおせち料理を販売するようになった。多彩な商品群の中で、売り上げの要である「仕出し」や「季節弁当」の商品開発を担うのが、宍戸舞衣子さんだ。「皆さんを笑顔にできるような、おいしく彩り豊かな食事をお届けしたい」と、魅力的な商品の考案に余念がない。担当するのは、おせち料理をはじめ、会席膳、オードブル、恵方巻、四季の弁当など多岐にわたるが、四季や食のトレンドを意識しつつ、多様な消費者のニーズに合う商品を開発している。

岡山市に生まれ、調理師の母の影響で自身も料理好きになったという宍戸さん。「将来は食に関する仕事に就きたい」と美作大学の食物学科に進み、管理栄養士の資格を取得した。卒業後は、資格を生かして岡山市内の老人福祉施設に就職。給食部門で献立作成や調理をしていた。その後2013年に「つるや」に転職。治療食の献立立案などを担当し、結婚、出産を経て3年前に仕出しの商品開発担当に異動した。現在は部署内の3人で分担しながら商品企画を行っている。

 

「仕出しの場合は、行事やイベントの期日が決まっているので、それに向けて仕事が集中します。早ければ半年以上前から次の企画を練り始めますが、追い込みの時期はかなり忙しいですね」。仕出しは、豪華さや見栄えもお客さまが選ぶ決め手になるため、食材だけでなく容器も含めた細かい原価計算が必要だ。また、昨今は嗜好(しこう)や食のトレンドの移り変わりが目まぐるしいため、インターネットなどで消費者の動向を調べ、流行の食材やテイストも検討するという。さまざまな条件を考えて献立を作り、何度も試作を重ねる。「最近のように原材料が高騰すると、お客さまのご予算に合わなくなるので、何度も原価計算やメニューの見直しをしなくてはならず大変です」と苦労も口にする。

 

試行錯誤の末メニュー案が決まると、社内での意見を聞くための試食会を開く。その席で商品のプレゼンをするのも宍戸さんの役目だ。そして合格点がもらえたら、今度はチラシやポスターの撮影に立ち会うなど、販促商材づくりにも関わるため年間を通じて仕事は途切れることはない。「忙しい時期もありますが、納得のいく商品を作って評価してもらえた時は、やりがいを感じます」と顔をほころばせる。

 

今夏、美作特産の「奈義ビーフ」とウナギを組み合わせた季節弁当を企画・開発したところとても好評だった。「美作地域には、ほかにも県内外にPRできる優れた食材がたくさんあります。もっと地産食材を積極的に仕出しやお弁当に取り入れていきたい」と意欲的に話す宍戸さん。使いたい食材もすでに思い描いているそうだ。「県南の木村屋各店でもおせち料理が販売されるようになったので、「つるや」の味をもっと知ってもらえるよう認知度アップに努めたい」と前向きに語ってくれた。

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