“みまさか”ではたらく人物図鑑

オーエヌ工業株式会社 生産本部 検査課
藤田 勝架 さん
(ふじた・しょうか)1998年津山市生まれ。2017年津山工業高校を卒業。同年4月に入社し、検査課NJ係に配属される。23年より同課素材バルブ係に異動。鏡野町で夫、長男と暮らす。
インフラ支える製品の品質を向上
ステンレス製メカニカル管継ぎ手のメーカーとして、国内シェア7割を誇るオーエヌ工業。主力商品の「ナイスジョイント」の最終検査を担当しているのが、検査課の藤田勝架さんだ。津山市内で生まれ育ち、高校は津山工業の工業化学科を専攻。同社を見学した際に、「生産ラインの仕事が自分に向いていそう!」だと魅力を感じ、入社を決めたという。1年間の産休・育休を経て職場に復帰。入社9年目の現在は、大口径の「ナイスジョイント」の検査を任されている。出来上がった製品の寸法、外観のチェックや、漏れの有無を調べる責任ある仕事だが、「小さな問題も見落とさないよう、丁寧な仕事を心がけています」ときりっとした表情。「経験を積み、自分の技術を磨いて、検査課の戦力として会社の役に立ちたい」と意欲的に語ってくれた。

ものづくりが好きで、いろいろな実験をしてみたいと津山工業高校の工業化学科に進学した藤田さん。就職先も当初から工場勤務を希望し、オーエヌ工業の求人が目に留まった。「社名は知らなかったけれど、業界トップクラスの技術を持つ企業だと知ってますます魅力を感じた」と話し、第一志望で入社を果たした。
入社9年目の現在は、主力商品「ナイスジョイント」大口径の検査を担当している。給水や給湯の配管を繋ぐ継ぎ手として、空港や駅、医療機関や高層ビル、公共施設などで採用されている製品で、大切なインフラを支えているだけに検査工程の責任は大きい。
生産ラインから製品が流れてくると、まず目視でキズの有無を確認し、形のひずみや刻印の打ち方などをチェックする。次に数種類の計測器具を使って寸法を測り、機械を使用して空気を流し水中に沈め漏れがないかを確認する。不備などが見つかれば、この段階で排除する。製品検査だけではなく、クリアした製品の組立や梱包を行うのも藤田さんの仕事だ。
「不備を発見したときに、判断に迷うこともありますが、すぐに上司に報告し、生産工程にフィードバックしたり、改善を求めたり、対処します。責任のある仕事なのでひとりよがりの判断をしてしまわないよう、常に「報・連・相」を心がけています」。藤田さんの正確で丁寧な仕事が、高い品質につながっている。
プライベートでは、二歳の男の子のママ。「好きな仕事なので、結婚や出産をしても会社に戻り、長く勤めたかった」ため1年間の育児休暇を取得した。現在は、両親に育児をサポートしてもらいながら、フルタイムで勤務している。「検査課には女性が多いこともあり、育児休暇に理解があってありがたかった。復帰後もみんなが『おかえり~』と温かく迎えてくれて嬉しかったです」と笑顔で話す。津山市内で育ったが、結婚後に親子で暮らす鏡野町も気に入っている。「子どもとよく遊びに行くのは、町内にある『鏡野ふれあい運動公園』です。新緑や紅葉が美しくて、新しくなった遊具で子どもも伸び伸び遊べておすすめです」と教えてくれた。
産休からの復帰後に、キャリアアップして現在の素材バルブ課に異動し、仕事のレベルも、責任感や使命感も一段アップしたと話す藤田さん。検査から梱包までひとりで任されることもあるため、仕事が立て込んで大変なこともあるが、課内のチームワークのよさに助けられているという。「これからも経験を積み自分の技術を磨いて、できることを増やしながら、10年20年と長く勤めたい」と前向きに語ってくれた。
会社情報/1964年創業のステンレス製配管メーカー。給水・給湯などの管同士をつなぐステンレス製メカニカル管継ぎ手「ナイスジョイント」は、耐震性、施工のしやすさから多くの工事業者が採用し、全国の空港や駅、病院、ホテルなどで使用され、国内シェア7割を占めている。そのほかねじ込み継ぎ手や産業機械用バルブなども製造。〒708-0011 津山市上田邑3235-2 TEL0868-28-0171
