“みまさか”ではたらく人物図鑑

2025
盛本 佑介さん

仁木鉄工株式会社 品質管理部

盛本 佑介 さん

1999年鳥取市生まれ。2022年公立鳥取環境大学環境学部環境学科を卒業。同年に仁木鉄工に入社。現在は会社近くの社宅で暮らす。

技術を結集し、街の骨をつくる

病院や倉庫、オフィスビルから小規模な店舗まで、さまざまな建物の鉄骨を製造する「仁木鉄工」(津山市杉宮)。津山市に二つの工場を構え、建築鉄骨の設計から製造、施工までを一貫して手掛けているのが強み。熟練の技術と最新鋭の設備により、高品質・低コストを実現している。盛本佑介さんは、工場で生産されている鉄骨の品質管理を担当。さしがねや巻き尺を使い、部品の取り付け位置、部材の長さや角度などが正しいかを確認する。また、顧客に提出する書類を作成するなど、仕事内容は多岐にわたる。各部署の技術の粋を結集させ“街の骨”をつくりあげているだけに、意識しているのは社内の円滑なコミュニケーション。資格取得によるスキル向上にも意欲的で「これからも作州のものづくりに貢献してきたい」と意気込んでいる。

子どもの頃からものづくりが好きで、当時熱中したのはガンプラ(機動戦士ガンダムのプラモデル)。今も時々作ることがあるという。建築を学ぶために地元の公立鳥取環境大学に進学。図面を読むスキルを生かせる仕事を希望して就職活動をする中で、建築鉄骨を加工する津山市の仁木鉄工を知った。「津山はものづくりが盛んというイメージを持っていました。仕事が楽しそうで、会社説明会で『資格を積極的に取得してほしい』と言われ、スキルアップしたいという自分の考え方に近い企業だと思い、入社の意欲が高まりました」と盛本さんは振り返る。

品質管理部に配属され、現在4年目。一口に「品質管理」と言っても、その仕事内容は多岐にわたる。工場で生産される鉄骨にさしがねや巻き尺を当て、部品が正しい位置に付いているか、長さや角度は図面通りかなどを確認する。建築用の鉄骨だけに、10メートルを超える柱や(はり)を測ることも多く、1日に20以上の製品を検査することもあるという。顧客に提出する計測結果をまとめた書類の作成も盛本さんの仕事。製造過程を写真で記録するために、タブレット端末を手に工場内を巡ることもある。

設計から製造、施工までを一貫して行う仁木鉄工では、各部署が持つ技術を組み合わせることで“街の骨”をつくっていく。それだけに、仕事では円滑なコミュニケーションを意識しているという。「作るのは人間なので、どうしても製造過程でミスが発生してしまうことがあります。その際、頭ごなしに指摘するのではなく、相手の立場を尊重して修正をお願いするよう心掛けています」。印象に残っているのは、加工が難しいデザインの部材を担当した時。「製作途中の段階から入念にチェックし、製造担当者と打ち合わせを重ねながら誤差を少なくしていきました。基準に適合したものが完成し、お客さまの元に届けた瞬間はうれしかったですね」。顧客が検査に立ち会うこともあり、品質に満足そうな表情を見せたときはやりがいを感じるという。

これまでに建築鉄骨製品の検査や溶接管理などの資格を取得。今後もさらに難易度の高い試験に挑戦して、仕事に必要なスキルを高めていきたいと考えている。プライベートでは海釣りを趣味としていたが、就職を機にバス釣りを始め、会社の上司や先輩たちと岡山県北の池やダム湖で釣り糸を垂らすこともある。現在は津山市内の社宅で生活しており、気候、風土が鳥取と似ている点に暮らしやすさを感じている。「これからも図面や製品、そしてお客さまと向き合い続け、作州のものづくりに貢献していきたい」と話す。

会社概要/1966年創業。納入期限の厳守と親切丁寧をモットーに、鉄骨部材の製造・加工から建築工事までを一貫して行っている。津山市に二つの工場を持ち、熟練の技術と大型設備で高品質・低コストを実現し、建築需要の多様化に対応してきた。2024年7月にはホールディングス化して体制を強化している。〒708-1215 岡山県津山市杉宮742–1  TEL0868-29-4005

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