“みまさか”ではたらく人物図鑑

2023
遠藤 蒼大さん

仁木鉄工株式会社 工務部 工務課

遠藤 蒼大 さん

1998年津山市生まれ。津山商業高校を経て2021年大阪経済大学経済学部地域政策学科を卒業。同年仁木鉄工に入社。

「街の骨を創る。」ものづくりに没頭

「街の骨を創る。」をキャッチフレーズに、小型の店舗や倉庫から大規模な工場やオフィスビルまで、多彩な建物の鉄骨製造加工・建築工事を行う仁木鉄工。1966年の創業以来培ってきた熟練の技術に加え、近年では大型設備の導入によってコスト低減や工期短縮に貢献し、岡山県内外の建設会社から高い評価を得ている企業だ。遠藤蒼大さんは第二工場で梁製作の工程管理を担う若きリーダー。納期を厳守するため、鉄骨の加工、組立、溶接、塗装作業まで約20人の技術者の作業に目を配る。就任当初は工業系の知識がなく、重圧を感じていたというが、多数の資格を取得するなど努力を重ね、今では工場内で厚い信頼を寄せられる。「体を動かしてものづくりに携わるのは楽しい。街で自社が携わった建物を見ると誇りに感じる」と生き生きと仕事に取り組んでいる。

津山市内で生まれ育ち、小学校から野球に打ち込んだ。津山商業高校の野球部では4番でキャプテン。進学した大阪経済大学では野球を続けながら資格の取得に努めるなど学業にも熱心に取り組んだ。卒業後は家族が住む地元に帰って「形に残る仕事がしたい」と岡山県北の建設系の企業を検討。その中で一番に目に留まったのが工場のクレーンや鉄骨を赤、青、黄などカラフルに塗装した仁木鉄工だった。「これまでの工場のイメージを覆す明るい雰囲気に引かれた」という遠藤さん。さらに最新鋭の大型クレーンや13台の溶接ロボットを導入し、公共工事や大型物件、耐震補強工事も手がける将来性の高さも魅力に感じた。

 入社後は工務部に配属され、本社工場で事務所作業を担当する。半年が過ぎるころ、根っからのスポーツマンの遠藤さんは次第にデスクワークに飽き足らず、「体を動かしてものづくりの現場で働きたい」と思うように。当時、社内で第二工場の工程管理者を探していることを聞き付けると「ぜひ挑戦したい」と上司に申し出、入社1年目ながら20人の技術者をまとめる工程管理の仕事を任されることになった。

 工程管理者はいわば現場のリーダー。納期の異なる3、4物件の鉄骨製造のスケジュールを立て、優先順位を考えて加工、組立、溶接、塗装の技術者たちに適切に指示を行うためには豊富な知識とコミュニケーション力が必要だ。配属当初は技術者からの質問にもすぐに答えられずに戸惑う毎日だったという。「管理者としてこのままではいけない」と分からないことはその都度徹底して調べて知識を増やし、工場内で必要なフォークリフトやクレーンの資格取得はもちろん、毎日自宅で2時間の勉強を行って「鉄骨製作管理技術者1級」資格も取得した。さらに現場の技術も身に付けたいとこの道50年の溶接技術者を“師匠”として、溶接のほか鉄骨に関するさまざまな知識を貪欲に吸収。次第に現場の技術者からの信頼を得られるようになっていった。「今は仕事が面白くてすごくやりがいがある。仕事が順調に進んだ日は、よく頑張ったなとおいしいお酒が飲めるんです」

プライベートでは今夏に結婚し、自然豊かな鏡野町で新婚生活を送る。大好きな野球に加えてゴルフも始め、週に一度は仕事帰りに練習場で汗を流して英気を養う充実した毎日だ。「今は目の前の物件の工程しか見えていないので、今後は次の案件を視野に入れて工程を組んで作業効率を高めていきたい。後は実際に溶接や組立の技術も身に付けたいですね」とますます意欲を燃やしている。

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