“みまさか”ではたらく人物図鑑
株式会社マルイ 商品部 惣菜アシスタントMD
松永 枝里香 さん
1999年津山市生まれ。岡山県立津山高校を経て、2022年ノートルダム清心女子大学人間生活学部食品栄養学科を卒業。同年マルイ入社。
おいしい弁当・総菜で地域を笑顔に
津山市を中心に岡山、鳥取、島根県で地域密着型スーパーマーケットを展開する「マルイ」(津山市上河原)。「うまいものなら、なんでもマルイ」を合言葉に、店舗には食欲をそそる弁当や惣菜がずらりと並ぶ。その商品開発を担うのが、入社2年目の松永枝里香さんだ。管理栄養士資格を生かしてさまざまなメニューを考案。旬の食材を取り入れて季節感や彩りを重視し、トッピングのソースや盛り付けにもこだわる。商品部に新たな風を吹かせるキーパーソンとして会社からの期待も大きく、「自分が手がけた弁当を手にされたお客さまを見るとうれしく、『おいしかった』の一言もやりがい。お客さまの思いを反映し、もっと喜び、笑顔になってもらえる商品を作りたい」と目を輝かせる。
津山市で生まれ育ち、食べることが好きで「将来は食に関わる仕事に就きたい」とノートルダム清心女子大学の食品栄養学科に進学した。同じ岡山県内とはいえ、離れたからこそ津山の良さに気づかされ、身近に家族がいる安心感からも地元就職を検討。子どもの頃から当たり前のように利用していたスーパーマーケットで親近感があり、人々の生活に密着し、食育や環境活動など地方にあっても時代に先駆けた取り組みを実践しているマルイに魅力を感じ、さらに地元に貢献したいという思いにも合致し、「ここで地域の食を支えていきたい」と入社を決意した。
入社1年目の昨年はウエストランド店で指示された弁当や惣菜を製造した。その実力や感性を見込まれて今春から本社商品部へと引き抜かれた。「まさかこんなに早く商品開発に携われると思っていなかった」と松永さん。ドキドキしながら臨んだ初の商品化は、その名も「わんぱくランチプレート」。チキンライスやハンバーグ、エビフライなど子どもが喜ぶ味を追求し、先輩のアドバイスを受けながら納得いくものができるまで改良を重ね、食材を入れるトレーなど少しの違いで印象が大きく変わることを学ぶきっかけにもなったという。今も数カ月先の販売を見据えて毎月、新商品の開発に励んでおり、「思うように売れず落ち込むこともあるが、売り上げや売れ残りを確認するとともに味や量などを反省し、次の商品化に生かさなくては」と失敗を糧に挑戦し続ける。
マルイのイチオシ商品で、美作大学短期大学部栄養学科や鳥取短期大学生活学科それぞれと共同開発している食育弁当もサポートしている。学生たちの知識や技能に基づく自由な発想をうまく商品化できるように栄養価や価格帯、盛り付け方などをアドバイスし、工場で製造可能かどうかも見極める。何度も試作を重ね、みんなで作り上げた弁当は「ヘルシーでおいしい」とお客さまから毎回好評だ。
プライベートでは趣味のカフェやおいしいもの巡りを楽しみながらも「食材の組み合わせ、盛り付け方も勉強になる」と食へのアンテナを高く張り、トレンドにも敏感に過ごす松永さん。「弁当・惣菜は特色や他のスーパーとの違いを出せ、自分の思いを表現できる部分。『弁当・惣菜といえばマルイ』『この味、この商品を食べたいから来た』と言ってもらえる目玉商品を作り、健康的な食材を用いた弁当で地域を元気にしたい」。地域のものを地域に届ける―。地域に循環を生み出すマルイの新たな魅力づくりに意欲を燃やす。