“みまさか”ではたらく人物図鑑
ランデス株式会社 久米南工場 製造課
岩﨑 善広 さん
1994年津山市生まれ。津山市国分町で育つ。津山工業高校電気科を経て、2016年広島工業大学工学部卒。2017年、ランデスに入社
インフラ支える製品を担う
工場であらかじめ製造して道路や河川、堤防などの現場で組み立てるプレキャストコンクリート製品を開発・製造するランデス(真庭市開田)。
岩﨑さんは、同社の中核となる久米南工場(岡山県久米南町下ニケ草木)で、主にコンクリートを流し込む型枠の組み立てや部材の取り付けを担当している。
その型枠で作られるものには、自然環境に優しい機能を有するオリジナル製品が多い。短工期で安定供給できるプレキャストコンクリートは災害時の迅速な復旧や防災に貢献。
オリジナルの超耐久性コンクリート「ハレーサルト」はインフラ整備に役立っている。
歴史ある史跡が残る津山エリアに愛着を持つ岩﨑さんは「地元を足場に、見えないところで環境や社会インフラを支えている自負がある」と使命に燃えている。
津山市郊外ののどかな地で生まれ育った岩﨑さん。
子どものころからものづくりに興味があり、工業系の進路を志望。津山工業高校、広島工業大学ではいずれも電気を専攻して「物」の仕組みを探求してきた。
地元企業を希望して就職活動をする中で、豪雨で起きた土砂崩れをせき止める砂防ダムや、側溝に落ちた生き物がはい上がれる形状のブロック「ハイダセール」(小動物保護側溝)といったランデスのオリジナル製品について知り、「どうやって作るんだろう」と好奇心が湧いたのが応募のきっかけ。
「人目に付かないところで『縁の下の力持ち』として役立っている製品に心動かされて」入社を決めたと笑顔を見せる。
現在担当する型組みの作業は、多様な規格の製品を正確に作るための大切な工程だ。
「図面を読み違えたり部材を違う場所に取り付けたりすれば製品の破損にもつながるため、細心の注意が必要」と話す。
「山々や棚田が美しい津山が好き。都会と違って不便はあるが、自分で工夫して楽しみを創造する面白さがある」と岩﨑さん。
津山からも岡山からもアクセスの良い国道53号沿いにある久米南工場は、四方を自然に囲まれた広大な敷地内に大小さまざまな形状のコンクリート製品が積み上げられている。
「コンクリートは無機質なように見えて、石灰石や砂、水などの天然の物質でできている。今ここで生産している製品も、人がなかなか気付かないところで、河川を守ったり緑を育てたり、生き物と共生したりと自然環境に優しい機能を備えているのだと入社後に知った」と説明する。
美作の史跡めぐりが好きで、鶴山公園や城東むかし町屋を散策したり、両親の農作業を手伝ったりして過ごすという穏やかな人柄の岩﨑さん。
「今後はもっと多くの製品を造れるよう免許や資格を取得し、技能を上げていきたい」と意欲的に目標を語る。