“みまさか”ではたらく人物図鑑

2025
願念 結衣さん

菅田株式会社 商品部

願念 結衣 さん

1994年津山市生まれ。2012年津山商業高校を卒業。同年入社。本社総務部、「ジュエリーカンダ イオンモール津山店」を経て、本社商品部に異動し現在に至る。

心込めたジュエリーを届けたい

津山市を中心に、中四国・近畿・中部エリアにジュエリーや時計の専門店を約100店舗展開している菅田。最近では自社で企画・開発するプライベートブランドにも力を入れる同社で、アニバーサリーモデルを開発しているのが、商品部の願念結衣さんだ。入社10年目の現在は、部署の中核として新作ジュエリーを商品化し、販売の演出やディスプレイまで手掛ける。自身が考案し、9月に発売した新作の売れ行きは、我が子のように気になる。発想力や感性を磨くために旅行にはよく出かけ、美作三湯や鏡野町の紅葉スポットでリフレッシュするのも楽しみだとか。「津山は自然が豊かで、人がみな温かい。地域の若い人に、自分へのご褒美として手に取って長く親しんでもらえるようなジュエリーを提供できれば」と、目を輝かせる。

津山市内で生まれ育ち、高校卒業を控えて就職か進学かで迷っていた時に、職場体験で訪問したうちの1社が「菅田」だった。訪れたのは、吉井川の流れを眺める「カンダ本店」だった。華やかな宝石や時計がずらりと展示された店内におどろき、てきぱきと仕事をこなす女性社員が輝いている様子をひと目見て「絶対にここで働きたい」と心が決まった。

入社後は先輩の補佐として各店への書類の仕分けや商品の発送をする業務を教わりながら始こなした。入社半年後に、本社商品部へ異動。仕入れ商品の検品や伝票処理、値付けなど、ショップに並ぶまでの準備を3年間経験したのち、プライベートブランドの企画・開発を担当することになった。

企画するのは、主に新商品だ。上司のほかメーカーやデザイナーとともにプロジェクトチームを組み、アイテム、素材、色、デザインをテーマに沿って決めていく。試作や改良を重ねてより魅力的な商品を作り上げる道のりは、華やかなようで地道な努力が必要だった。10種類あるプライベートブランドの中でも、願念さんが担当するのはおもにアニバーサリーモデルという、新年を象徴するブランド。毎年春先から本格的に企画に入るため、ファッショントレンドや最先端の商品を発信するSNSのチェックは欠かせないという。

自身のアイデアが採用されないこともあるが、女性ならではの視点を重視してくれる上司に任せてもらえるケースも増えた。「担当になって最初に手がけた、地金を使用したブランドが好評だったのはうれしかった」と顔をほころばせる。人気を博している「メビウス」シリーズは、全社でアンケートを取ってアイデアを募り、願念さんの提案でこれまでとは異なる斬新なデザインになった。

一方で、自分の思うようにならない仕事の厳しさも体験してきた。ギフト需要が主流のジュエリーだが、「もっと若い世代の手に届く、自分へのご褒美として身に着けてもらえる商品を提案したい」。高校生の時、「カンダ」の店舗で感じたような憧れだけでなく、身近に感じてもらえるような手頃な価格のジュエリーを作りたいのだと。そして、地域の若い女性たちから口コミや発信が広がり、自社商品を全国の人に知ってもらいたいとも話す。

仕事に打ち込んできた10年。「支えてくれたのは、上司や先輩、同期のみんな」。地域密着型企業として地域に根差し、メンバーも入社以来ほとんど変わらないため、「家族より長く一緒にいる仲間は大切。友だちや家族に言えないことも相談できる」アットホームさが魅力だと笑顔で話す。「津山のよいところは、お城をはじめ、古い町並みが今も残る落ち着いた町で、食べものもおいしい。でも何よりも人が温かいところが、離れがたい理由です」と、笑顔で語ってくれた。

会社概要/1933年に津山市で創業したジュエリーと時計の専門店。全国の郊外型ショッピングセンターを中心に、グループ約100店を展開している。創業以来「人と人、心と心のふれあい」を大切に、真心を添えた接客で、一人一人に合ったジュエリーライフの提案を目指している。〒708-0841 津山市川崎1902-3 TEL0868-25-1231

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