“みまさか”ではたらく人物図鑑
加茂繊維株式会社 BS事業部
野村 竜之介 さん
2001年高知市生まれ。高知工業高校デザイン科を経て、24年、福山大学生命工学部卒業。同年加茂繊維に入社。本社コールセンターで電話回線管理業務を行っている。
繊維のチカラで明日を変える
「冷えに悩む方を一人でも多く助けたい」と全国6拠点のコールセンターの電話回線の管理業務を行っている野村さん。加茂繊維が開発した遠赤外線効果のある新・機能素材「BSファイン」製品は、冷えに悩む中高年の間で人気が高く、1日6000件以上もの注文の電話が寄せられる。特にテレビCMなどの放送後は電話が殺到。回線が混雑してオペレーターが応答できないと顧客の満足度、売り上げに影響するため、「つながりやすく」調整する回線の管理は重要な仕事だ。応答率は毎月90%以上だが、繁忙期には80%台に下がってしまうことも。そこで野村さんは回線状況を分析して各拠点への振り分け方などを提案。1週間で90%近くに戻すことができたという。「当社は挑戦が第一。失敗から成功につなげることが大切という方針なので前向きに働けています」と、日々生き生きと仕事に取り組んでいる。
高知県出身の野村さんは、地元の高校でデザインを学び、広島県の大学では海洋生物を専攻したユニークな経歴を持つ。「面白そう」と思ったことにまっすぐに取り組む性格だ。加茂繊維との出合いは就活で初めて受けたオンライン説明会。そこで「社員の成長なくして企業の成長なし」という考えで、さまざまな社員教育を行っている社長の話に引き込まれた。経営を模したボードゲーム、性格診断による人員配置など…「面白そう」と感じた野村さん。また「新しいやり方にどんどん変えていく」方針であること、さらに売り上げが目的ではなく、「お客さまの悩みを解決することが重要、商品に満足していただければ売り上げは付いてくる」という社長の言葉に感動し、「この会社に入れば自分が成長できるのでは」と入社を決めた。
入社後は本社のコールセンターに配属された。天然鉱石ブラックシリカをポリエステル繊維に練り込んで作られた同社の新・機能素材「BSファイン」の製品は、「冷え」に起因するさまざまな悩みを抱える中高年者に支持されており、毎日多くの電話がかかってくる。野村さんは毎日30~40件の電話に応対し、「加茂繊維の商品を使って冷えがよくなったのよ」など喜びの声を聞くとやりがいを感じた。それと同時に、冷えに悩む人の多さに驚き、「もっと多くの方に当社の製品を知ってもらいたい」という思いを強くした。
入社2カ月後には全国に6カ所あるコールセンターの回線管理業務を任された。テレビCMの放映直後など電話が集中する際に、どれだけオペレーターの応答率を上げるかが腕の見せどころだ。通常応答率は90%以上だが、急に冷え込んだ秋口には80%台にダウン。そこで各拠点のオペレーター数に応じて回線数を調整するほか、自動音声で対応したお客さまに電話をかけ直す人員の数を変更するなど試行錯誤し、1週間で応答率をほぼ90%台に戻した。新人ながら自ら考えて仕事ができるのは、「挑戦することが第一。もし失敗してもそこから学び、成功につなげればいい」という会社全体の共通認識のおかげだという。現在は今秋から実施されている受付時間の延長に伴う調整に奮闘中。新たな取り組みだが、「今までにないお客さまに出会えるチャンス」と前向きだ。
現在は津山市内で一人暮らし。「月に一度、好きなアーティストのライブに友人と行くのが楽しみ」とプライベートも充実している。高知の実家にもしばしば帰省し、先日は冷えに悩む祖母に自社のレギンスをプレゼントして喜ばれたという。目標はやはり応答率の向上。「一人でも多くのお客さまと出会い、冷えの悩みを解決してもらいたい。『繊維のチカラで明日を変える』という会社の目標に少しでも近づけたら」と意欲を燃やしている。
会社概要/1973年大手肌着メーカーの協力工場として創業。理想の肌着づくりを追求し、2004年に天然鉱石ブラックシリカを用いた新・機能素材「“着る岩盤浴”BSファイン」の開発に成功。「社会の課題を繊維のチカラで解決する」とのミッションを掲げ、通信販売を主に右肩上がりの成長を続けている。〒708-0821 津山市野介代1650-1 TEL0868-33-9088