“みまさか”ではたらく人物図鑑
加茂繊維株式会社 ソリューション事業部
山口 仁睦 さん
2000年大阪府高槻市生まれ。2023年摂南大学経済学部経済学科卒業。同年加茂繊維入社。
BSファインの魅力 全国へ伝える
“着る岩盤浴” と称される保温性に優れた新機能素材「BSファイン」を開発し、肌着やレッグウォーマー、寝具など約300種類の商品を製造販売する「加茂繊維」(津山市野介代)。BSファインは岩盤浴で人気の天然鉱石ブラックシリカを繊維の中に封入しており、人肌のような心地よい温もりを保つのが特長。寒い冬はもちろん暑い夏でも着用でき、体を冷えから守ってくれると好評だ。この素材にほれ込み、今春生まれ育った大阪を離れて同社に入社したのが山口仁睦さん。インナーから足先まで全身BSファインを身にまとい、人材採用や展示会、ラジオCMなどさまざまな仕事を元気にこなしている。「同世代の友人でこれほどやりがいのある仕事をさせてもらっている人はいないと思う。大好きなBSファインの魅力をもっと多くの人に伝えたい」と弾けるような笑顔で語る。
大阪で生まれ育ち、地元の大学を卒業後は、子どものころから好きだった洋服に関係する繊維業界への就職を目指した。複数のWEB会社説明会に参加する中、最もインパクトがあったのが加茂繊維。「人を冷えから守る」「社会の課題を、繊維のチカラで解決する」と社長自らが熱く語る姿に興味を引かれた。また企画から製造、販売まで一貫して手掛けており、顧客の声を直接受けられることも魅力に感じた。高速バスに乗り、本社のある津山市を訪問するが、見知らぬ土地に初めは戸惑った。それでも訪問のたびに、どの部署の社員も優しく声をかけてくれ、不安な気持ちに寄り添ってくれる。「この方たちとなら一緒に働いていける」と入社を決めた。
コールセンターで1カ月間の研修を経てソリューション事業部に配属される。通信販売を主とする同社が、法人向けの直接販売強化のために新しく立ち上げた部署だ。配属された2カ月後の7月には上司と2人で、東京で開催される「労働衛生安全展」に参加することになった。主に工場などで働く人たちの労働環境改善のため企業にBSファイン製品の導入をアピールするのが目的だ。
「会社を代表して製品の魅力をちゃんと伝えられるだろうか」。大きなプレッシャーを抱えながら、全国から訪れた企業の担当者140人以上と名刺交換し、懸命に製品の説明を行った。毎日が緊張の連続だったが、その中ではうれしい出来事も。「最終日にとある企業の方が、私の名刺の写真を差し出して『1日目にこの方の説明を聞いた人の紹介で来た』と言ってくださったんです」。現在はその企業と商談が進んでいるといい、初めて仕事の手応えを感じた。
会長や上司が出演するラジオCMのスケジュール確認も仕事の一つだ。10月には自らもラジオに出演。大阪で暮らす家族も番組を聴き、「すごく頑張っているね」と活躍ぶりを喜んでくれた。さらに採用担当として説明会の準備や就活生のサポートをするなど、複数の仕事を掛け持つ忙しい日々。それでも「とても貴重な経験をさせてもらっている。本社は“田舎”にありますが、自社の製品に誇りが持て、社内の研修や教育も充実。やりがいのある毎日で楽しい」と前向きだ。
「元々冷え性だったのに、今は寒い冬でもこれ1枚で過ごせるんですよ」とブラウスの袖からインナーを見せて微笑む山口さん。入社後、インナーやタイツ、布団にいたるまでさまざまな製品を使用してみて「BSファインはすごい!」と機能の高さを実感しているという。現在の目標は来年の社内表彰の新人賞獲得だが、大きな目標はBSファイン製品をさらに世の中に広めること。「BSファインで冷えに悩む方を助けたい。1人でも多くの人に愛用してもらい、快適な生活を送ってほしい」と願っている。