“みまさか”ではたらく人物図鑑
加茂繊維株式会社 コールセンター
菅田 歩里 さん
1999年津山市生まれ。岡山県立津山高校を経て、2022年関西学院大学人間福祉学部社会福祉学科を卒業。同年加茂繊維入社。
「冷え」に悩む多くの人を助けたい
“着る岩盤浴” と称される保温性に優れた新・機能素材「BSファイン」を使った商品の製造販売を全国に展開し、成長を続けている加茂繊維(津山市野介代)。テレビCMや新聞の折り込みチラシによる通信販売を主とした同社のコールセンターで働くのが新入社員の菅田歩里さんだ。入社当初はオペレーターとして電話注文を受けるほか、大学時代に社会福祉士資格を取得する際に身に付けた傾聴力で「お客さまのお悩み」に応えてきた。その実力を見込まれ、今年10月から、1日5000件以上かかる電話を本社ほか全国6拠点のオペレーターに効率的につながるように調整する電話回線の管理を任されている。「お客さまの満足度、売り上げに影響する仕事なのでプレッシャーは大きい。それでも冷えなどの悩みを抱えて電話をくださるお客さまを一人でも多く助けたい」と日々奮闘している。
津山市加茂町出身の菅田さん。苦しい立場にある人を助ける社会福祉に興味を持ち、大学では社会福祉士資格を取得した。卒業後は地元に貢献しようと岡山県内で幅広く就活。さまざまな分野を検討するうちに「何か新しいことにチャレンジしたい」という気持ちが高まり、興味を引かれたのが地元の加茂町に旧本社がある加茂繊維だった。「新・機能素材のBSファインで世界を目指す」「社会の課題を繊維のチカラで解決する」と目標を掲げる社長の話を聞き「スケールの大きさにワクワクした」菅田さん。「この会社の一員になって地元を盛り上げたい」と入社を決めた。
人肌のような心地よい温もりを保つ「BSファイン」は、天然鉱石ブラックシリカをポリエステル繊維に練り込んで作られた同社の新・機能素材。この素材を使った製品は約300種類あり、中でもレッグウオーマーやウエストウオーマーなどは、「冷え」に起因する身体のさまざまな悩みを抱える中高年者の間で年々人気が高まっている。
入社後、コールセンターでオペレーターを担当した菅田さんは、「レッグウオーマー」の注文を受けると、必要事項に加えて「どのようなお悩みがありますか?」と声をかけ、「お客さまの真の悩み」に耳を傾ける。「実は冷えるとひざが痛い」と打ち明けられると、より適した商品である、膝まであるロングのレッグウオーマーを紹介するなど親身な接客を行った。
仕事ぶりが評価され、菅田さんは入社半年で本社ほか全国6カ所にあるコールセンターの電話回線の管理業務に任命された。同社商品はテレビCMや新聞の折り込み広告で紹介すると全国から電話が殺到する。「何度かけてもつながらない」「呼び出し音が長い」という問題を少しでも減らし、「一人でも多くのお客さまとお電話で出会えるようにすること」が菅田さんの“使命”だ。すべての回線状況をシステム上で把握し、着信をオペレーターに効率よく配分。自らの判断や調整によってセンターの満足度や売り上げに影響する責任の大きな仕事だ。
「プレッシャーが大きく、毎日が戦い」。それでも「新人でこれほど責任のある仕事を任せていただいていることはありがたく、大学の同級生では他にいないと思う。大変だけれど成長できていると感じる」と充実感をにじませる。緊張感のある1日が終わり、帰宅する際には外で大きく深呼吸するという菅田さん。「地元の空気はきれいでとても気持ち良く、本当に落ち着く。また明日も頑張ろうと思えるんです」と晴れやかな笑顔を見せた。