“みまさか”ではたらく人物図鑑

2021
浅野 美佳さん

株式会社つるや 勝間田店

浅野 美佳 さん

1995年赤磐市生まれ。岡山県立勝間田高校グリーン環境科(現・総合学科)卒。2014年株式会社つるやに入社。吉井店に配属され、販売、厨房業務を経験。21年11月から勝間田店に勤務。

新形態店に挑む人気スタッフ

岡山県北の国道沿いで多く目にする弁当・食堂「つるや」(津山市上村)の看板。津山・美作地域を中心に13店舗を展開する同社は、手ごろな価格とボリュームのある弁当・惣菜・イートインのメニューで、主に“働く男たち”に愛されてきた。そのイメージを一新し、「おかやまキムラヤ」のパンを全商品取り扱いにより幅広い層が“安心・安全に”食を楽しめる新形態のモデル店として今年11月にリニューアルしたのが勝間田店(岡山県勝央町勝間田)。「デパ地下のようなショーケースに総菜が並び、イートインコーナーはカフェ風でおしゃれ」と同店の浅野美佳さんは胸を張る。浅野さんはかつて吉井店(赤磐市福田)に勤務し、心のこもった接客で多くのファンを持っていた人気スタッフ。「つるやの良さを女性など幅広い層にも知ってほしい」と意気込んでいる。

赤磐市吉井町出身で、美作市の勝間田高校で園芸を学んだ浅野さん。パンジーやシクラメンなどの草花をはじめ野菜や桃の栽培にも取り組み、文化祭では自ら生産物の販売も行った。「花や野菜の栽培はもちろん、地域のお客さまと交流し、喜んで買ってもらうことが一番楽しくやりがいを感じた」と言い、卒業後は好きな「食」と「人」に関われる「つるや」に入社した。
吉井店に配属されると1人でレジを任された。同店は近隣に大きな工場があるため、昼時になると弁当を求める大勢の客でごった返し、レジ前には常に行列ができる。「お客さまを待たせて申し訳ない。少しでも待ち時間を短縮したい」と考えた浅野さんは、弁当やジュース、お菓子といった店内の商品すべての値段を記憶し、並んでいる客の商品を暗算して先に伝えるよう工夫。「先に金額が分かれば、お金の準備ができて時間短縮につながると思って」。浅野さんのアイデアと努力で、行列はほぼ解消されたという。
「地域のお客さまとの交流、温かい雰囲気がつるやの魅力」と、浅野さんは1,2回来店した人の顔は必ず覚え、気さくに声をかけるよう努めた。「一度来られたお客さまのたばこの銘柄を覚えていて、注文前に用意すると『よく覚えているな』と喜ばれたのがうれしくて」。一人一人に心を込めて対応するうちに顔なじみが増え、やがて“吉井店の美佳ちゃん”と親しまれる存在に。「皆さん子どもや孫のように接してくれ、育てていただいた」と振り返る。

明るい人柄と高い接客スキルを買われ、今年11月にリニューアルした勝間田店のスタッフに登用された。同店は種類豊富な弁当に加え、「スモークサーモン ミルフィーユ仕立て」といったこだわりの総菜の量り売りや、岡山木村屋の全商品(110種類以上)がそろい、食パンのオーダースライスにも対応。さらにイートインコーナーには勝間田店限定の「とんかつ定食」(4種類)が登場するなど多彩な“食”が楽しめる。「扱う商品の種類が増え、会計もタブレットになるなど覚えることがいっぱい。それでも新たなお客さまとの交流は楽しい」と笑顔で忙しい日々を乗り切る。
「いずれは店の敷地で、母校・勝間田高校の後輩たちが栽培した花や野菜を販売するイベントをしてみたい」と目標を掲げる浅野さん。地域に根差し、にぎわいにも貢献する「つるや」の未来を思い描いている。

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