ダイヤモンドや真珠がきらめくネックレスやピアス…女性が憧れるアクセサリーを“本物の輝き”が伝わるよう撮影し、自社のオンラインショップにアップしているのは宝飾品店「ジュエリーカンダ」を展開する菅田（津山市川崎）の西岡二美さんだ。西岡さんは神戸の大学を卒業後、「大好きな地元で、女性が生き生きと働ける」と同社に就職。結婚、出産を経て今年4月から現在の仕事を担当している。ウェブの仕事は未経験ながらも、独学で一眼レフカメラの撮影、画像修正、ウェブデザインを学び、11月には通販サイト「ヤフーショッピング」にも出店。「店頭と併せてネットでも当社のジュエリーを見て、買い物を楽しんでほしい」と笑顔で仕事に取り組んでいる。

　津山市に本社・本店を置く創業80年を超える「菅田」が経営する「ジュエリーカンダ」は、ショッピングモールを中心に全国で約100店を展開する宝飾品販売店。普段使いからハレの日まで対応する種類豊富な商品がそろい、国産の「白百合真珠」や、オリジナルカットのダイヤモンド「C-LOVE-R（シーラブアール）」といった自社ブランドも人気を集めている。

津山市北部に位置する山間のまち・加茂町で生まれ育った西岡さん。県外の大学に進むが、「自然豊かで友人や家族のいる加茂が大好き」と卒業後は迷わずUターンし、同社に入社した。本社の管理部に配属されると、県内外で開催される販売会の運営サポート担当として活躍。結婚し、出産による2年間の休業を経て今年4月に職場に復帰した。

「オンラインショップを充実させてほしい」。復帰後、新たに任命されたのは未経験のウェブの仕事だった。同社はコロナ禍で多くの店舗が休業を余儀なくされる中、2020年8月から既存の自社ECサイトでの通信販売に注力し、同サイトをリニューアルオープン。若い女性向きの、デザイン性が高く1～3万円台の手ごろな価格帯の商品を掲載するが、認知度不足でアクセス数が伸び悩んでいた。

「どうすれば見てもらえるか、商品の魅力が伝わるか」。西岡さんは試行錯誤しながらウェブページのブラッシュアップを始める。社内にウェブ知識のある人材がいないため、専門書を読み、津山市内のIT講座に通って必死に知識を習得。一眼レフカメラ、画像処理、ウェブデザインの技術を覚えると、掲載している商品画像が映えるよう、背景を明るく修正する作業を行った。「画像に手を加えた途端、注文が入った時は本当にうれしかった」。手応えを感じるとさらに研究を重ね、「着けたイメージがわくよう」自らモデルとなった着用画像をアップし、商品を探しやすいようネックレス、ピアスなどカテゴリーごとにバナーを作成。少しずつ手を加えた結果、数カ月後にはアクセス数、売り上げ共に伸び始めた。

日中は仕事に集中する西岡さんも、午後5時を過ぎると2歳の娘さんの待つ保育園へ向かい、ママの顔に。やりがいのある仕事と家庭を両立させ、忙しくも充実した日々を送っている。「忙しい女性たちが、ゆっくりと“自分へのご褒美”を選べるページをつくりたい。ジュエリーを通して癒やしや元気を感じてもらえたら」と優しい笑顔を浮かべた。